2011年10月28日

相手方とは長年「内縁」関係にあるのですが,「内縁」と婚姻との違いについて,簡単に教えてください。

1 「内縁」と聞くと,何を昔のことを・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。「内縁」という言葉には,社会的に大物と言われる男性が妻とは別の女性を養っているようなイメージがあります。
  時代は移り変わり,男女関係のあり方も多様なものになりました。理由は様々ですが,婚姻という法制度を選択せずに,自発的に,内縁という関係を選択される方もいらっしゃいます。
  そこで,簡単ですが,婚姻と内縁の違いについて,ご説明します。

2 我々がご相談を受けるのは,やはり,内縁関係が破綻してしまった後の法律関係についてです。

 ⑴ 内縁関係については,一般に,婚姻関係に準ずる関係,事実上の婚姻関係などと説明されています。簡単に言えば,男女の関係が,常識的には結婚とほぼ同じなのに,婚姻届だけが提出されていない状態ということでしょうか。
   我が国では,婚姻が成立するためには,婚姻届の提出が条件になっています。常識的には結婚と同じ生活を送っている男女が,単に婚姻届を提出しないという理由だけで,全く法的保護を受けられないのはおかしい・・・そんな発想が根底にあります。

 ⑵ 我が国の裁判所は,内縁について,法律では明記されていないにもかかわらず,婚姻とほぼ同様の保護を認めてきました。
   内縁関係が破綻した際には,@破綻に責任のある相手方に対して,慰謝料を請求することができますし,A財産分与の請求を行うこともできます。内縁関係には,婚姻関係に準ずる保護が与えられているわけです(なので「準婚理論」などと呼ばれています)。

 ⑶ 他方で,内縁関係は,婚姻関係と全く同じではない以上,婚姻関係とは異なる点もあります。
   B内縁の夫が子の認知をしておらず父ではない場合,当然には,養育費を支払ってもらうことはできませんし,C内縁の夫が死亡した場合,内縁の妻には相続権はありません。
   特に,Cの点については,婚姻ではなく内縁を選択された際には,大きなリスクになることが予想されます。婚姻関係にあれば多額の遺産を得ることができたのに,内縁関係を選択したばかりに,全く遺産を得ることができないという事態は,容易に起こり得るからです。

3 「なあんだ。結婚と内縁ってほぼ同じなんだ。」と安心しきってもらうと,困ります。
  内縁関係のリスクとして,もう一つ述べておきたいことは,裁判になった際の証明の問題です。
  婚姻関係の証明は,基本的には,戸籍謄本でOKですね。
  内縁関係の証明は・・・? 相手方は内縁ではないと言っている。戸籍謄本には内縁などいう項目はない。一緒には住んでいたけれど,諸事情があって住民票を移していない。その証明が簡単ではないことは予想がつきます。
  内縁関係の証明に失敗すれば,@慰謝料額は相当低額になるでしょうし,A財産分与は認められません。

4 時代共に男女関係のあり方も変わります。これに伴い男女関係に対する保護のあり方も変わっていくのだろうと思います。
  簡単ですが参考になさって下さい。


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 つらい話も多くありますが,有意義な意見がたくさんあり,勉強になります。
posted by benuchida at 16:03| よくあるご質問
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