2010年11月15日

裁判所が親権を定める基準について教えてください。

 未成年の子がいる夫婦が離婚する場合,民法は,父母の一方を親権者に定めることとしています。

 夫婦間の協議により子の親権者を定めることができますので,この場合には,裁判で親権を争う必要がないことになります。法は,夫婦間の話し合いにより,離婚後の親権者を定めることを認めているわけです。例えば,離婚届には親権者の記入欄がありますが,これは夫婦間の協議により親権者が定められた場合に記入する項目です。

 夫婦間の協議により子の親権者が定まらなかった場合,離婚をする際には,裁判所が子の親権者を定めることになります。
 問題は,親権者を定める際の基準です。
 これは「子の利益」という漠然としたもので,具体的には,次のような事情を総合的に考慮して,親権者が定められることになります。

1 親側の事情
 @ 養育体制→経済状態,居住環境,家庭環境,教育環境など
 A 子に対する愛情,養育意思
 B 心身の健全性

2 子側の事情
 @ 子の年齢,心身の状況→子の年齢が低いほど,母親による監護が重視される傾向があります。
 A 環境の継続性→現在の養育環境が長期間にわたって継続している場合には,環境を急激に変えるべきではないという考えです。
 B 子の意思

 裁判所は,このような多くの事情を総合的に考えて,親権者を指定することになります。
 ですから,「このような場合には必ずこうなる」といった方程式のようなものは存在せず,親権者の指定は,あくまでケース・バイ・ケースです。

 親権者指定の最終的な基準は「子の利益」です。
 「私がどれだけ子どもを愛しているか」ということだけで,裁判所を説得するのは難しいでしょう。
 大切なことは,「子の利益」に適うような具体的な環境を整備していくことです。
 裁判において親権を獲得するためには,子に対する愛情があることは当然の前提として,その子が十分な養育を受けることができる環境を可能な限り整備していく努力が求められます。
 まさに,このような努力こそが「子の利益」に適うことになります。
 

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 つらい話も多くありますが,有意義な意見がたくさんあり,勉強になります。
posted by benuchida at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問
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